今回はDXの現状と課題、中小企業が導入するにあたり何をすれば良いか紹介します。
~DXとは~
DX(デジタル・トランスフォーメーション)は、“デジタル化”で組織やビジネスモデルの“変革”を行うことを言います。
~現状~
IT市場は右肩上がりを続けており、22年度は約20兆円規模にも上っています。
コロナをきっかけに大きく伸び、業務システムのクラウド化や効率化、デジタル基盤の整備等、デジタル化やDX推進のための支出が多く占めました。
近年ではインボイス制度、来年以降は残業時間の上限、社会保険の適用拡大等と法律が施行されます。また人材不足の影響もあり、従業員の負担が益々増加しています。そのため、DXを行わなければもたない状況になっているのです。
~課題~
経済産業省によるDXについてのレポートでは従業員300名未満の企業でDXに取り組んでいない、もしくは分からないと回答した企業は38.2%も存在しているとの報告がなされています。
また、DXに取り組んでいる企業であっても成果が出ている企業は58%と半数程度です。
これらには様々な理由があります。IT人材がIT企業に集まりすぎていること、お金をシステム部門ではなく本業に回したい等があります。
そのような会社では、今いる人員でやり繰りしなければならなりません。
現在は、マナビDX(https://manabi-dx.ipa.go.jp/)などデジタルスキルを学べる講座があります。積極的に受講しDXリテラシーからスキルまで身につけることが大切です。
~DX導入ステップ~
ここでは導入を行っていない中小規模企業がDXを進めるためのステップを紹介します。
DXには具体的なアクションを設計するための3つの段階があります。
1.デジタイゼーション ―― アナログ・物理データのデジタル化
2.デジタライゼーション ―― 個別業務・製造プロセスのデジタル化
3.デジタルトランスフォーメーション ―― 全体の業務・製造プロセスのデジタル化、顧客起点の価値創出のための事業やビジネスモデルの変革
これらの段階をもとに中小規模企業向けのDX導入ステップを書いていきます。
1.「アナログをデジタル化する」(デジタイゼーション)
紙での作業を会計ソフトに変更することや電子決済を利用する、備品をお店まで買いに行くのをオンライン購入にするなど、デジタル化で効率化につなげることです。
2.「生産効果・業務効率が向上し、デジタルデータが蓄積される」(デジタライゼーション)
デジタル化により効率化し、生産性も上がることで、ノウハウが蓄積され、そのデータが宝の山になります。
3.「デジタル・トランスフォーメーション(ビジネス・組織の変革)」
宝の山となったデータをビジネスで活用します。会計データを顧客管理や原価管理に活用したり、電子決済では仕入れ管理等に活用したりします。
これらを業務プロセスやビジネスモデルに取り組めればDXが行われたといえるでしょう。
~まとめ~
今回はDXの現状と課題、導入ステップを紹介しました。
DXを進めるには多くの選択肢があると思います。むやみやたらに導入するのではなく、自社のあるべき姿を打ち出し、どのようにして業務プロセスやビジネスモデルを変えるか、目的を策定してから行うことが大切です。
経済産業省 ミラサポplus “「デジタル・トランスフォーメーション」DXとはなにか?IT化とは何が違うのか”
(https://mirasapo-plus.go.jp/hint/15869/)
DX白書2023エグゼクティブサマリー
(https://www.ipa.go.jp/publish/wp-dx/gmcbt8000000botk-att/000108048.pdf)
経済産業省 DXレポート2 中間取りまとめ(概要)
(https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201228004/20201228004-3.pdf)